日本の上位アプリに共通するUI・UXについて調べてみた(ニュース/ミュージック編)
昨日書いたブログを踏まえて、継続率を上げる施策のヒントが日本の上位アプリにあると考えました。僕の予想では、3つ4つは必ず同じような施策を導入していると踏んでいます。そしてそれら共通する施策は案外他のアプリでは導入されていなくて、継続率に差をつけているのではないか?と思っています。この上位アプリの共通点探しは、今後継続してやっていこうと思っているのですが、今回は、ニュース、ミュージック、カテゴリーに絞って調査して見たいと思います。
※この調査は特にアプリインストール直後の挙動に注目しています
ニュースアプリ1位:スマートニュース
登録直後の挙動として、3点気になったことがありました。1つ目は登録について。ハンドルネームは聞かれませんでしたが、年齢と性別を決めるフローがありました。とてもシンプルで両方とも一つの画面で入力するようなUIでした。よりユーザーに合わせたニュースを提供するためのものなんだと思います。この辺りは裏側でAIとか使って、自動的にセグメントして効果的なニュースを厳選してそうですね。
年齢制限は必須ではなくスキップあり
2つ目が使い方について。スマートニュースをはじめとするニュースアプリは横フリックによってニュースカテゴリーを変更する挙動をよく採用しているのですが、これを非常にシンプルに表現していました。
ちょっとしたアニメーションになっています
フッターデザインがちょっと特殊。継続率にはあまり関係のない項目かもしれませんが、一般的なフッターデザインとはちょっと違った見せ方でした。ニュースと動画で切り替えるのですが、こちらもシンプルな仕様。
こういうデザインは最近よくあるのでしょうか?初めてみました
ニュースアプリ2位:Yahoo!Japan
Yahoo!に関しては、登録直後に何かしら工夫をしている部分はありませんでした。スマートニュースのような、年齢を聞くようなフローもありませんでしたし、プッシュ通知許諾率を高めるような工夫も見られませんでした。しかし、ニュースカテゴリーで2位に君臨しているというのはYahoo!のブランド力でしょうか。えーと、これ以上書くことはありません笑
Yahoo!のトップ画面がこちら
ニュースアプリ4位:グノシー
グノシーもアプリインストール直後にスマートニュースと同じようなフローがありました。まず、以下のような画面になり、
プッシュ通知を許諾する理由も記載されていますが、正直全然目がいきませんでした
そして、性別と年齢を確認するようなポップアップが表示されました。スマートニュースは年齢を自分でスクロールして選択するような仕様でしたが、グノシーは年齢の区切りがあらかじめ決まっているような仕様でした。
設定するしないをユーザーに選択させる
ミュージック1位:YouTube MUSIC
ミュージック部門のランキング1位はYouTube MUSICでした。確か最近リリースしたばかりだと思うのですが、すごいですね。僕もよくYouTubeで音楽を聞くので、ちょっと試しに使ってみたいと思います。
アプリインストールにしばらく時間がかかりました...ここはもう少し最適化して欲しいですね
インストール直後に表示されたのは、無料プランを使うかプレミアムプランを使用するかの選択画面。無料トライアルを開始をタップすると、プレミアムプランの無料版を使用することができる。よくあるタイプだが、この無料版は期間限定で1ヶ月もすれば自動的に有料プランへと切り替わるあれだ。 無料トライアルをスキップするをタップするとベーシックプランを利用することができる。
バックグラウンド再生ってなんだろう?
その後は、お気に入りアーティスをを選択していくページへと遷移する。これはTwitterでいうところの登録直後に有名人をフォローしていくフローと同じ効果があると思う。
ミュージック2位: MUSIC FM
完全無料アプリだからでしょうか?インストール直後に特別な工夫はありませんでした。また無料アプリによくある広告が最初に表示されます。(YouTube MUSICの広告が表示されました)また、検索やマイページのフッター付近で常に広告が表示されるので、使いにくいと感じました。でも無料で音楽を聴くことができる(ユーザーが多い)ので、上位にランクインしているのでしょうか。あと、マイページで面白い発見をしました。 MUSIC FMではマイページにてニックネームや性別、個人情報を入力するスペースがあるのですが、編集をしていない状態だとこのように表示されます。
「こいつは怠け者で、何も書いていない」
ユーザーのことを「こいつ」呼ばわりするアプリってなかなかないですよね笑
僕は初めてみました。そこまでイラっとはしませんでしたが、これをみて「よし編集しよう!」とも思いませんでしたけど笑
ミュージック3位:Spotify
Spotifyに関しては残念ながらすでにアプリをインストール済みだったため、一から挙動を確認することができなかった涙。覚えいている範囲で説明してみると、インストール後の挙動はYouTube MUSICのそれとほとんど変わらなかったと思う。ただ違うのはレコメンドの精度。Spotifyでアーティストをお気に入りするとそれに関連付けれらた類似アーティストが表示されるのだけれど、「それそれっ!」と声が出そうになるほどレコメンドされるアーティストが絶妙だった。
まとめ
ニュースとミュージックカテゴリーで上位ランキングのアプリを触ってみてまず思ったのが、シンプルだということ。コンテンツがかなりしっかりしているからそうなっているんだろうけれど、ごちゃごちゃした導線やポップアップは一切ありませんでした。また、これも当然かもしれませんが、ユーザーに選択させるという挙動が印象的でした。特にニュースアプリなんかは取得できるなら絶対にユーザー情報が欲しいはずです。そこを強制しないUIにしているのも「ユーザーにストレスを与えないため」などの理由があるのだと思います。
またスマートニュースのフリックの挙動を簡単なアニメーションで表しているやつは、親切だなと思いました。アプリ運営者がユーザーにやってほしいことを的確に伝えるのは難しいところではありますが、シンプルかつ分かりやすく伝えている良い例だと思います。
その他重要項目(多分)
- フリックという簡単な動作でも説明があると分かりやすい
- フッターアイコンは3〜4
- プッシュ通知の許諾に関しては、あまり工夫されていない
- ユーザーに選択させる仕様、強制はさせない(スキップ)