「欲しい」の本質人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方
「欲しい」の本質人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方。という本を読んでみました。その中で特になるほどと思った考え方を紹介したいと思います。
人間を見に行く=ターゲットの興味や関心に寄り添うこと
たとえば売りたい商品があったとして、その商品を買わないユーザーに買わない理由を聞いたところで、ヒントになるような回答は得られないのです。理由として、ユーザー自身もなぜ買わないのか?という理由が明確に分かっていないケースが多いし、直接理由を聞いても具体的な対策に繋がらないことが多い。
ではどうするか?
価値⇒不満⇒買わない
という順序を踏んで理由を深堀していくことでだんだんと買わない理由が明らかになっていきます。
若者の車離れを食い止めるプロジェクトの例
考えなければならないテーマは、若者のマイカーへのあこがれ意識が低い、車への関心が下がっているといった問題です。それらを考える中で若者が車を買わない理由を明らかにする必要がありました。
20代の若者のライフスタイルに注目し、外出の回数が少なくなっているというデータから休日に外出するよりも、家にひきこもる方がこのましいと考え、これをポジティブにひきこもると定義しました。
その結果、ひきこもることに対して、ひとの視線から解放され自分の好きな世界に没入できる。という価値を感じている人が多いことが分かりました。
逆に平日の仕事では、無機質で味気ないと感じている人が多いことが分かりました。
そして車という存在は、自己主張のかたまりと捉える人が多い傾向にあることが分かりました。
つまり、20代の若者が感じている価値=「ひとの視線から解放され自分の好きな世界に没入できる」に対して、車は自己主張のかたまりと捉える人が多く、仕事の一部のように感じる傾向にありました。休日まで仕事と関わりたくないということです。
車を販売する側がアピールしたい、リラックスや優雅といったイメージがまったく伝わっていなかったのです。
ユーザーが買わない選択をした際、そこには商品の価値とユーザーが感じている不満がうまくマッチしていないケースがほとんどです。それを埋めるためには、ユーザーのライフスタイルを把握し、なぜ商品の価値が伝わっていないのか、何が不満なのか?というのを今一度考えてみることは大切です。